








「こんなにうまいもの、体を壊したってやめらない」とは、酒好きの韓国人の口癖です。韓国では一人でお酒を飲むよりも、みんなで雰囲気を楽しみながら飲むのが普通です。うれしいときも悲しいときも飲まずにはいられないのは民族性なのか、毎日のように仲間で集まり、冗談を言い合いながら、ワイワイと酒を飲み交わすそうです。

韓国では「マッコリ」という代表的な伝統酒から、 焼酎や果実酒やビールに至るまで数多くのお酒が揃います。全体的に甘く、口当たりがいいのが特徴です。若い人からお年寄りまでお酒は韓国の生活に溶け込み、みんなに愛されているのです。
韓国ドラマや映画を見ていると、楽しいお酒、悲しいお酒など、心を反映するかのようにお酒が小道具に使われているシーンが多くみられます。韓国社会にとっては、お酒は日常生活に欠かせない大切なもの、ということがよくわかります。



OBとHiteの銘柄が主流の韓国のビール。日本のビールより軽くてさっぱりしている。
社会人はビールや焼酎を、大学生たちはビールやサワーを好んで飲みます。私がよく仕事を一緒にするアジョシ(おじさん)は、ふたりでお酒を飲んでいるのに、3ℓのピッチャーを注文します。韓国人には、アルコール度数が弱いので、水がわりといった感覚なのでしょう。最近は、気持ちよく酔えるからと、ビールを飲むサラリーマンが増えてきました。
また韓国の若者の間では、フルーツが入ったサワーが人気です。スイカのサワーや桃のサワーなどが代表的です。それほど男性には人気はないのですが、お酒に弱い女性には飲みやすくてかわいいからと人気があります。しかし、つい飲みすぎて、二日酔いがひどいという難点もあるそうです。



チャミスル(竹焼酎):韓国で一番人気のある国民的焼酎。韓国焼酎はストレートで飲む。
韓国でもっとも親しまれている酒「焼酎」。韓国人とお酒を飲むと「パリパリ!(早く、早く)」といつも言われます。何においてもせっかちな韓国人。仲間と「早く飲んで、早く酔っ払って、早く楽しくなりたい」というなのことです。寒い国なので、昔から早く飲んで早く体を温めるという目的もあったようです。だから韓国では、焼酎の飲み方はストレートかオンザロック。水で割る人はいません。焼酎はストレートで飲むものと相場が決まっています。
韓国の焼酎は、日本のものに比べて甘味が強いのが特徴。ほのかな香りがふわ〜っと鼻の奥に広がってとても飲みやすい。でもアルコール度数は20度くらいあるので、調子に乗ると、翌朝大変なことになるので注意が必要です。焼酎を飲む理由としては、安いということもありますが、辛い韓国料理に甘口の焼酎がなんとも絶妙な相性なのです。360mℓの焼酎が1本100円くらいなので、お土産にももってこいですね。



梨薑酒:梨の果汁、生姜の根の汁、蜂蜜を混ぜて発酵させて作り、香りがよい伝統酒として有名である。
昔から朝鮮の“3大名酒”として有名なお酒があります。まず筆頭に上げられるのが平壌の「甘紅露」。紅カビを利用して焼酎を作るという、独特の紅色をしたお酒です。桂皮・しょうが・蜂蜜などの数種類の薬材を混ぜ合わせたものを入れ、封をしてから土の中に70日間埋めておけば、香りがよく甘いお酒になり、薬酒として朝鮮全土に昔からもっとも名の知られている名酒の一つです。
香りがよいことで知られている「梨薑酒」。これは白米を原料に、梨の汁とウコン・生姜の汁に蜂蜜などを混ぜて作った焼酎です。王家の献上品として有名だった全羅道で栽培されたウコンを使っているため、この梨薑酒は全羅道でよく知られた有名なお酒です。
同じく全羅道にはもうひとつ、「竹瀝酒」と呼ばれる名酒があります。このお酒は、炭火の上に置いた青竹からでた汁と酒作りの水を混ぜて発酵させて作った焼酎です。梨薑酒が全羅道で有名なために、あまり知られていないお酒だそうですが、竹の香りがほんのり香るお酒です。
焼酎は土地によって銘柄が異なります。日本で飲める韓国焼酎「眞露」は、ソウルを中心とした京畿道のお酒。「鏡月」は江原道。「金福酒」は慶尚道。「舞鶴」は全羅道のお酒です。それぞれの味を愉しみながら飲むと面白いかもしれませんね。



百歳酒:高麗人参・甘草などといった、体に良いとされている10種類の生薬をブレンドした韓国の伝統酒。
「百歳酒」という名前を聞いたことがありますか?酒は「百薬の長」といわれているように、韓国には漢方が入ったお酒が多く出回っています。この百歳酒は名前の通り健康にいいお酒「薬酒」として、妻が夫に贈る酒としても知られています。酔うためのお酒ではなく、先祖が愛した風流を味わうことを目的としたお酒と言われています。味は高麗人参の苦味、はちみつの甘味を感じるお酒です。漢方酒の中では飲みやすくとても美味しいお酒です。居酒屋では焼酎が1本300円ほどで飲めますが、この百歳酒は800円もする高級なお酒です。
そこで、お金はないけど、美味しいお酒がたくさん飲みたい、という学生によって考案されたというのが、「五十歳酒」。こちらは、焼酎と百歳酒を1対1の割合で割って飲むものです。韓国の居酒屋で「五十歳酒ジュセヨ(ください)」と言えば、焼酎と百歳酒を持ってきてヤカンのようなもので半分に割ってくれます。
そしてお酒の割合を変えれば、「二十歳酒」、「七十歳酒」などさまざまな飲み方ができるというのも面白いですね。しかし、焼酎を入れることによってアルコール度数が高くなり、それくらいまでしか生きられない、という意味になるそうですから要注意ですね。



韓国では、「爆弾酒」と呼ばれるお酒の飲み方があります。それは、ビールと、ウイスキーなどの洋酒を混ぜたものや、ビールと焼酎を混ぜたものなどで、名前のようにやや危ないイメージが・・・。
ゲームをして、負けた人が罰ゲームとして一気に飲まされることが多いこの爆弾酒。最近では、国会議員が仲間内でこの爆弾酒を止めようと申し合わせたそうで、かなり問題になっている飲み方です。
また、ビールをグラスいっぱいに注いだコップに、洋酒を(洋酒グラスで)一杯入れたものを、「原子爆弾酒」といって、逆に洋酒をビールグラスいっぱいに注いで、ビールを洋酒グラスで一杯入れたものを「水素爆弾酒」というそうです。
韓国人は、本当によくお酒を飲みます。お酒に強い人が多く、その飲む量にも驚かされます。韓国では「酒を飲めない男は出世ができない」ともいわれ、あまり飲めない人は付き合いの悪い人になってしまうのだそうです。それにしても、この「爆弾酒」の飲み方はあまりおすすめできませんが・・・。



お酒に合うのは、やはり焼肉。焼肉といえば、韓国ではビールではなく、焼酎を飲むのが一般的である。
お酒に合う韓国料理の代表と言えば、やはり焼肉。骨付きカルビや、豚の焼肉の「サムギョプサル」が人気です。日本では、一緒にビールを飲みたくなるところですが、韓国では必ずと言っていいほど皆、サムギョプサルには焼酎を飲みます。焼酎を飲むことによって口の中がさっぱりして、肉の油っぽさがなくなり、口直しになるんです。そして、お肉が来るまでは、お酒が先に来ていても一切手を出さず、乾杯を始めないのが礼儀です。韓国では肉とお酒は必ず一緒に食べて、飲むもの。肉が焼けてから、初めて乾杯になるのです。

サンチュ、エゴマの葉、カラシ菜などに、好みの具を包んで巻いて食べる形式は、「サムパプ」と呼ばれる(サムは「包む」で、パプは「ごはん」の意味)。
まずサンチュを左手に広げて、お肉、にんにく、ネギをたっぷり乗せたら、右手に焼酎を用意。「乾杯!」と乾杯をしたら、左手の肉を口に詰め込み、ひとしきり味わった後に焼酎をグイッと一杯。想像しただけでも唾液が溢れてきてしまいます。
ちなみに、パジョンに合うお酒は、マッコリやどんどん酒。ほのかな甘味、さわやかな酸味と微炭酸が入っているので、あらゆる料理にマッチするそうです。ビールには、ナクチポックムやドゥブキムチなどの辛い料理が合うそうです。
このように、この料理にはこのお酒が合うというのをお酒好きな韓国人は皆知っています。居酒屋で隣に韓国人が座っていたら気軽に声をかけてみてはいかがでしょうか。きっと喜んでお酒のことを教えてくれながら、一緒に飲んでくれますよ。



乾杯の際は、目上の人の杯より、自分の杯を下にするのがマナーとされている。
韓国のお酒のマナー(酒礼)はどういったものでしょう。韓国での「乾杯」は、「コンベ!」。乾杯したら、一気飲みするのが礼儀になっています。そのために焼酎のグラスは小さいのですが、飲んだら杯を相手に渡し、酒を注ぎます。飲んだら注いで、注がれたら飲む。まさにお酒が行ったり来たり(ワッタカッタ)。これが人と人との親交のつながりになっていきます。これが繰り返されるので、弱い人はすぐに酔ってしまいます。
韓国の酒席では、目上の人(オルン)と正面を向いて飲むのは、失礼にあたります。飲むときに顔や体を少し横に向けて、左手で隠すようにして飲むのが礼儀となっていますが、現代ではどうなのでしょう。
若い男性は軍隊でみっちり礼儀について仕込まれるらしく、酒席では男性の方が礼儀正しいのです。反対に女性は、多少礼儀を知らなくても大丈夫、愛嬌でカバーしているようです。
また、お酒を注ぐときは、瓶を右手に持って、左手は右ひじに添えたり胸に当てたりします。日本で瓶を両手で持つのに似ていますが、実際やってみると私たち日本人には少々不自然な感じがします。無理をしなくても、礼儀の心を忘れないようにすれば大丈夫でしょう。
気になるお会計ですが、以前はメンバーの1番上の人が全額支払っていましたが、最近若い人の間では割り勘にしたり、1件目は自分が。2件目は相手が・・。などと、立場に応じて支払うようになりました。誘った人が払うケースも多いようです。


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