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韓国現代アートの散歩道
美術館の風景
in SEOUL
〜仁寺洞(インサドン)ギャラリー窓
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〜国立現代美術館
韓国を語る
伊藤レナの「韓国現代アートの散歩道」Vol.3
美術館の風景in SOEUL 文/伊藤レナ 仁寺洞(インサドン)ギャラリー窓
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圧倒的に日本の影響を受けている韓国のコミックアート!
ファンタジー展ポスター
展示作品
展示作品
 韓国の人気マンガ、『ファンタジー』からインスピレーションを受け、様々な現代アーティストや人形作家が作品を制作、一堂に展示したのが「ファンタジー」展(*6)。展覧会を企画したのは、『ファンタジー』の作者であり、コミックアーティストのキム・ソンジンさん。彼の作品からは少年時代特有の鬱屈した精神性が感じられ、日本のコミック作家、大友克洋(おおともかつひろ)の『アキラ/AKIRA』(*7)を彷彿させます。そして、目にお星様、メルヘンティックで少女趣味の濃厚な作品は、日本の少女コミックの大家、萩尾望都(はぎおもと)(*8)の初期の作品を思わせます。それも無理はありません。韓国にあるマンガの約8割は日本のマンガの翻訳だといわれ、残りの2割はその圧倒的な影響下にあるのです。「ファンタジー」展に参加したコミックアーティストたちもきっと日本のマンガを日ごろから目にしているのでしょう。
 日本では「世界に誇れる日本文化」というマンガに対する高い評価がいまや確固たるものとなっていますが、韓国ではマンガはまだまだ「子供の読み物」であり、決して「アート」という評価を受けていません。このようなお粗末な韓国マンガ事情を打破しようと、ひとつのコミック作品がいかに多くの想像力の糧になるか、また、マンガの表現の本質を紙面からギャラリーにその場を移すことで捉えなおそうとしたのが「ファンタジー」展といえます。
有名なコミック作家キム・ソンジンさんにバッタリと!?
 会場を見渡すと「眞露(ジンロ)」のボトルをアートにした作品や憂いのある人形作品などが展示され、プレテクストが分らなくてもビジュアル的に楽しめる作品も多くあり、見応え十分でした。
「ギャラリー窓」室内/展示作品

 「あのー、この人って有名なのですかー?」
作品に興味を持った私は、ギャラリーで作品の展示を確認して歩いている男性に、通じるかも分らない日本語で話しかけてみた。

 「あー、はい、イチオー韓国では評価のあるアーティストです。」
その男性は、流暢な日本語を話した。しかし、なぜか複雑な表情・・・?
キム・ソンジンさん  「そのアーティストの名前は??」
 「あ… それ… 僕… です。」
 何も知らない私は、この展覧会を企画し作品を出展するご本人に「この人と誰?」となんとも失礼な問いかけをしていたのでした。
キムさんは、そんな私にも紳士的な応対で、作品の撮影にも快く応じて下さいました。アーティストとしての才能もさることながら、真面目で誠実なお人柄、ルックスもVery Good!で二重丸なのでした。

 韓国のアートというと精巧な刺繍や高麗青磁、李朝箪笥などという伝統工芸の印象が強いですが、現代アートでは「伝統」の枠を超え、様々な表現方法を新しい感覚で試みている新世代アーティストたちがたくさんいます。仁寺洞にひしめく数多くのギャラリーでは、このようなアーティストたちが自由な表現でエネルギッシュに発信しているのです。あなたも、仁寺洞で韓国現代アートにアプローチしてみませんか?

伊藤レナさん プロフィール
伊藤レナさん伊藤レナ
明治学院大学大学院修士課程・美術史学専攻。 専門は、日本近世(江戸時代)絵画。特に18世紀京都画壇で活躍した伊藤若冲を中心とした研究活動を行う。その他、古今東西の美術、また美術に限らず、映画、演劇、音楽、文学など幅広く芸術全般に関心を寄せ、ジャンルに拘らず面白いものには接近する。
韓国現代アートに関しては門外漢であるが、既成概念のない視点とちょっぴりミーハー感覚でフレッシュなリポートを試みる。韓国現代アートを通して韓国の「いま」が見えてくるのではないだろうか。
論文:「若冲についての覚書―「動植綵絵」中の4作品のルーツを探る」
明治学院大学大学院文芸術学専攻紀要『bandaly』第1号、2002年3月
e-mail:rena@bg7.so-net.ne.jp

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